乗用車販売から撤退したいすゞのかつての人気車がピアッツアです。
経営不振からいすゞは乗用車の販売を停止しましたが、いすゞは常にその時代に合った傑作車を生み出してきました。
ピアッツアの前には117クーペがありましたし、トリッキーなCMで人気を馳せたジェミニもありました。117クーペはいすゞ最後のラグジュアリーカーと言われていますが、その後継車がピアッツアなのです。
117クーペもピアッツアもジウジアーロのデザインとして有名です。
ジウジアーロと聞いてもピンとこない人もいるかもしれませんが、世界的に有名なカーデザイナーで日本では他にスバルアルシオーネ、初代レクサスGSなどのデザインをしています(もっとたくさんあるのですが割愛します)。
そういえばデロリアンもジウジアーロ作です。
1981年に登場したピアッツアも当時は斬新なデザインという評判でした。
発表前のモーターショーにコンセプトモデルとして発表されたのですが、117クーペの評判もあって、デザインそのままで発売されてさらに話題となったのです。
空力性能を重視したかのようなとんがったボディ印象的です。現代にはそぐわないようにも見えますが当時は十分に先鋭的なデザインだったのです。
見た目にどうしても注目が集まりますが、内装も豪華ですし、今では標準に近いステアリングにサテライト方式が取り入れられていて、ステアリングから手を離さずに様々な操作ができるようになっているのも先進的でした。
駆動方式はFRで出力は2000ccターボで150psで、他に135ps、120psとなっていました。
残念なのは、すでに乗用車販売が芳しくなく、2代目のピアッツアを出すときにはジェミニとエンジンを共有する1800cc115psに統合されたところです。吹け上がりのいいエンジンだったのですが、統合されたところにピアッツア並びにいすゞの命運が見えてしまいました。
ピアッツアはいすゞの持てる技術の全てを投入したモデルでした。それは当時のライバルをソアラとしていたことからもわかりますね。
これを最後にいすゞは乗用車販売から撤退してしまいます。それが1993年だったのです。(SUVは2002年まで販売)