異常なまでに車高を落としたアメ車を見たことがあると思います。
それはいわゆる「ローライダー」と呼ばれるカスタマイズの可能性が高いです。
油圧式の車高調を搭載することで、低い車高ながらある程度の実用性をもたらしているのです。
ローライダーのルーツ
ローライダーのルーツは1950年代の北米西海岸です。
もともとメキシコ系移民が始めたカスタマイズとされ、決して裕福でない当時の彼らが、安価な中古車(旧型のシボレー)を新車に負けないよう華やかにする…といった流れの中で生まれたカスタマイズともいわれています。
日本では80年代に流行
このスタイルは日本でも80年代後半ごろに根付いたとされています。
クルマのカスタマイズカルチャーではありますが、音楽、ファッション、ライフスタイル…これら統合的なカルチャーとも相関があり、そのバックボーンがあまりにも違うため、日本で大ブームとまではいかなかったと考えます。
しかし、こうしたスタイルを愛する人々は現在も存在するのも事実。スタイリッシュなカスタマイズカルチャーと捉える事もできます。
聞き慣れない「キャルルック」とは…
「キャルルック」カスタムをご存じでしょうか。
もしかしたら聞き慣れないかもしれませんね。「CAL LOOK」、つまり「カルフォルニア風」というようなニュアンスのカスタマイズです。
90年代にカリフォルニアでちょっとしたブームになったカスタムスタイルで、ブルーやオレンジ等、華やかな原色系のカラーリングを施し、ローダウンやチョップド仕様にするカスタマイズなのです。
これもファッショナブルなカルチャーと言えます。
ベースはVWビートルやVWバンなどが多く、絵になるものが多い印象です。
とはいえ、自分で乗るにはなかなか勇気がいるかも…というくらい派手なカスタマイズとなっています。
現在でも日本の軽自動車を「キャルルック」のコンセプトで仕立てるショップもあるようですし、カスタムカルチャーとして定着している部分もあるといえます。
スズキのハスラーやダイハツのアクティバのエクステリアにも少し、このキャルルックのファニーなテイストがあるようです。
あえてUS仕様に!?USDMカスタマイズ
「USDM(United States domestic market)」は、読んで字のごとく、日本メーカーのクルマをUS仕様のパーツ、あるいは北米のアフターマーケットパーツ等で決めるカスタマイズです。
いってみれば、アメリカで流行していた日本車チューニングを日本で真似てみる、といったところでしょうか。
カスタマイズのポイントとしては、前後バンパーを北米仕様に交換、灯火類の変更、エンブレム交換、などなどです。
中には左ハンドルの現地仕様を逆輸入するケースまであります。
また、北米仕様と国内仕様で異なる微細な点(アンテナ位置、ドアミラーの注意書き、サンバイザーのラベルの英文化などなど)に拘ったカスタムを行うユーザーもいます。
USDMカスタムを行う人々も現地のファッション、ライフスタイル等に影響を受けているケースが見られ、単なるクルマのカスタマイズにとどまらない部分もありますね。
デジタルネイティブはどんなカスタムカルチャーを生み出すのか
クルマのカスタマイズカルチャーも多様であり、クルマのカスタマイズだけではなく、その「ライフスタイル」をひっくるめたものも多く存在していました。
これはカーライフを楽しむ、という意味でも素晴らしいといえます。
もちろん、そこにかかるコストや労力は大変なものがあるわけですが、それもひっくるめてエンジョイする、という風潮があったのは事実でしょう。
スマホ世代、またデジタルネイティブの世界となる中で、この先はどんな斬新なカスタマイズカルチャーが生まれていくのでしょうか。