カスタムカーのジャンルにUSDMが登場したのはそれほど古い話ではありません。
現在でも北米仕様にカスタムされた車が「右ハンドルなのに北米仕様っていうの?そんな車売ってるの?」なんて質問する人もいます。
こんな質問があるくらいですから、それほど浸透していないのは間違いないですね。
そこでここではUSDMの基本を紹介します。
「米国国内仕様」なUSDM
やはり、基本は「米国国内仕様」というのがUSDMなのです。USというくらいですからね。
USDMというのは、United States domestic market(合衆国国内市場)の略です。
まずはこれがわかっていないと始まりません。
この場合の合衆国というのは米国合衆国のことです。
つまり車でしたら米国市場で販売されているものを指すのです。
ただしカスタムでしたら、単純に米国から車を輸入して…ということではありません。
そもそも、なぜ米国仕様といったものが存在するのでしょうか。
保安基準や道路交通法など各種法規や、安全基準それにデザインの好みまで米国と日本では異なるのです。
そのため、日本車でも米国で販売する場合では、米国市場に合わせた仕様でなければなりません。
日本とは若干異なりますし、法規上問題がある場合でしたらデザインからして大きく変わることもあるのです。
例えば、かつての米国ではヘッドライトの形や高さの制約が日本とは異なっていました。
そのため、それをクリアするのにリトラクブルヘッドライトを採用した車種があったのです。
日産180SXはそのように生まれたS13シルビアの米国仕様だったのです。
またトヨタAE86は、カローラレビンが販売できませんでした。
その解決策としてリトラクタブルのスプリンタートレノをカローラGT-Sとして販売していたのです。
この例でもわかるように車名すら変わる場合もありますし、そうしたことをひっくるめて米国仕様にするカスタムが、USDMなということですね。
元々は、米国で流行ったチューン&ドレスアップ
USDMの源流は、「キャルルック(カリフォルニアルック)」「スポコン(スポーツコンパクトカスタム)」など、米国で流行ったチューニングやドレスアップがあります。
明るい米国のイメージを日本で味わおうということで、性能一辺倒ではなく「米国ではこうだ」といったカスタムは、80年代から90年代にかけてかなり流行ったのです。
そうなると米国でしか生産または販売していない日本車を輸入あるいは 逆輸入すれば、ベース車としては最適なのです。