ガソリンエンジン車のフルタンクでの航続距離は概ね400km以上となっていて、昨今の燃費のよいディーゼル車やハイブリッド車がエコ運転をすれば1000kmに達するものも少なくないということです。
一方でEVの航続距離はスペック上150~200km程度となってます。
これが、実走行するとなるとその半分近くまで落ち込んでしまうことになります。
特にガソリンエンジン車の場合は高速道路では燃費が伸びるのに対して、EVの場合ですと、反対に高負荷運転が連続することになるので、電費はさらに悪化してしまうのです。
この点からも航続距離という面でEVはガソリンエンジン車に比べて不利となっているのです。
EVで航続距離を伸ばすためは、電池を大量に積み込むしか解決策がありません。
テスラ・モデルSではその手法によって公称航続距離500km~600kmを達成しているのは有名ですね。
しかし、それはカタログスペック上であって、実際に走ってみると相応に悪化するのです。
バッテリーを大量に搭載するとEVは大きくなると同時に重くなります。
運動性能を高めるために高出力モーターを搭載することで、さらに電費は悪化することでしょう。
そして、さらにバッテリーを追加してさらに大きく重くなるという負のスパイラルに陥ってしまうのです。
ガソリンスタンドと同じく、EVを充電するためには充電ステーションが各所に設置されています。
しかし、その数は十分な数とは言えません。
昨今はEVが増えてきて、先客のために充電待ちが発生することも少なくないのです。
ここで問題は充電時間の長さです。
EVは急速充電30分で80%まで充電可能となっています。
先客がいて30分充電すると30分待ちとなりますし、自分が30分充電するとなると、結果として1時間も待つことになるのです。
それでいて航続距離は実質100km前後に増えるに過ぎないのです。
一方のガソリンスタンドは驚異的ですね。
ガソリン給油速度は約 0.5L/秒ですから、ほぼフルタンクの50Lを給油したとしても、たった100秒しかかからないのです。
先客がいたとしても、数分待てばすぐに順番が回ってくるでしょう。
そもそもガソリンスタンドがたくさんあるので順番待ちすることが少ないのです。
しかも1度の給油で400kmは余裕で走ることができるのです。
そのためEVはドライブや旅行で途中充電することで、時間的な計画が大幅に狂ってしまうことになります。
EVが長距離での走行に向かないのはこれも大きな理由となっているのです。
結局のところ家庭で夜のうちに充電しておいて、途中充電することなく帰ってこられる範囲を行き来するのがEVの利用の仕方としては無難な線となるのです。。
結局のところ、現時点ではEVはガソリンエンジン車のリプレースにはならないということです。